2007年03月15日

[XP]エクストリーム・プログラミング提唱者と庭師のポール

beck.jpg
エクストリーム・プログラミングを提唱するケント・ベック(Kent Beck)氏

『XPエクストリーム・プログラミング入門第二版』という薄手の本を読んでみました。

■このレベルの人の本になると、やはり献辞が様になります。
「シンディへ 君がいなければ、本書は…」

■また謝辞に、ホットチョコレートが出てきたりします。
「経営者とスタッフは、ホットチョコレートとブロードバンド回線をつねに用意してくれた…」

■また、説明に使う比喩に鋭い切れ味があります。
運転のメタファ、園芸家のメタファ。
彼のところに来ている庭師のポールが、たびたび登場する。
運転のメタファ:初めて車を運転した日、母が私にハンドルを握らせ適切な助言をした。運転中は、常に注意を払って、状況に適応し、変更する。これをXPに当てはめると、顧客は、システムの内容の運転手、チーム全体※が開発プロセスの運転手である。
園芸家のメタファ:友人のポールは園芸家である。私は、土を掘り、植物を植え、水をやるが、園芸家ではない。ポールと私の違いは何だろうか? 技術の日々の実践をプラクティス(practice)という。
ポールと同じことを理解しても、園芸家にはなれない。ポールは、木全体の価値(value)を理解している。
技術と価値の隔たりを埋めるのが、原則(principle)である。最初に庭を造り、園芸家のコミュニティに加わり、他人に園芸を教える。そこまでして、園芸家になれる。

■ところどころに、成句の引用があります。
「The best is the enemy of the good.」(ボルテール)

■惹きつけられるタイトルが飛び出してきます。
「時を超えたプログラミングの道」
これは、クリストファー・アレグザンダー(顔はこちら)の「The Timeless Way of Building」という本からとったものですが、非常に示唆に富んでいます。
「アレグザンダーは、最終的には空間の設計者と利用者のバランスをとることに失敗したが、ソフトウエアでは、新たな社会構造を作る機会がある。」

■参考文献がユニーク
・「科学的管理法」← とにかくテイラー主義とウォーターフォールが嫌い
・「トヨタ生産方式」← トヨティズムは好き
・「マンガ学」「漫画分子遺伝学」← 漫画をも目を配る

■デザインパターンの立役者でもある -アレグザンダーとGoFをつなぐ-
デザインパターンの考え方は,Kent BeckとWard Cunninghamが1987年にOOPSLAに提出した論文 Using Pattern Languages for Object-Oriented Programs が火付け役になった.
この論文で彼らは、「建築家アレグザンダー が、クライアントの要求にかなった建築を作り出すために抽出した「パターン」の考えをソフトウェアにも応用できるのではないか」と問いかけた.

exproject.gif
プロジェクトの状態遷移図

※チーム全体の登場人物と役割?
テスター(コミュニケーションを増幅させる)
インストラクション設計者(顧客と共に作業し、ストーリーの作成と明確化を支援)
アーキテクト(ストーリーを実装)
プロジェクトマネージャ(チームの歴史家)
プロダクトマネージャ(顧客とプログラマの間のコミュニケーションを奨励)
重役(チームに勇気、自信、責任意識を与える)
テクニカルライター(フィードバックを早期に提供)
ユーザ(ストーリーの作成と選択、専門的な決定)
プログラマ(ストーリーとタスクを見積もり、テストを作成し、コードを作成し、退屈なプロセスを自動化し、システム設計を徐々に改善する。社会的スキルが必要。)


参考:彼は現在、オレゴン州の南の田舎町で妻、5人の子供たち、4匹の犬、2頭の羊、鶏たちに囲まれて暮らしているという。

位置情報位置情報位置情報
posted by TAKEJI at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/35933266
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。